三自愛教会と家の教会の相違点と共通点

三自愛教会と家の教会の最大の相違点は、合法か否か、政府公認か政府非公認か、国有組織か民間組織か、国営か民営かにあるが、さらに、三自愛教会が持つその政治的側面から見ても、その組織の性質は、家の教会とは大きく異なる。

三自愛教会の働きの中にある、キリスト教精神の伝播、教育、印刷物の出版、諸外国のキリスト教組織との交流などからみれば、中国のキリスト教界に対してなされている貢献は、決して小さくはないと言われているが、三自愛教会が中国共産党の組織である以上、教会の利益よりも共産党の利益が優先さてしまい、共産党が目指している社会の実現に相容れない精神は、キリスト教の教義に盛り込むことも、教えることもできない。

教義や解釈について

家の教会との相違点をいくつか挙げてみれば、その違いがはっきり分かる。

A家の教会
B三自愛教会

(1)誕生に関して
A処女マリアがイェスを生んだ
Bマリアがイェスを生んだ

(2)贖罪に関して
Aイェスは人を救うために死なれた
Bイェスは博愛を表すために死なれた

(3)復活に関して
Aイェスは死後、三日目に肉体をもって復活された
Bイェスは死後、精神的に復活された

家の教会は、「キリスト教信仰は魂を救うためにある」と考えているが、
三自愛教会は、「キリスト教信仰は社会主義宗教事業のためにある」と考えている。

三自愛教会は、政府をかしらとし、
家の教会は、キリストをかしらとしている。

以上は、ある家の教会のリーダーが言っていることであり、内容に間違いは無いかもしれないが、私自身は、三自愛教会に対する偏見と先入観が少なからず入っていると思っている。

礼拝場所や説教者について

また、礼拝場所に関しては、
三自愛教会は、指定の場所で礼拝すべきと主張しているが、
家の教会は、以下の聖書を根拠に、どこで礼拝してもいいと主張している。

「二人または三人が私の名によって集まる所には、私もその中にいるのである」

さらに、説教者に関しては、
三自愛教会は、宗教事務局が任命した人が説教すべきと主張しており、
家の教会は、以下の聖書の言葉は、聖書を信じる全ての人に対する命令であり、神に召された人が説教すべきと主張している。

「全世界に出て行って、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい」

その他、制約を挙げれば、三自愛教会では、18歳以下の未成年に対して布教したり、信徒は祈りによって悪霊を追い出したり、病を癒してはいけないとなどがある。

以上のように相違点があるが、キリスト教の教義においては、いくつかの共通点も見出すことができる。

家の教会と三自愛教会の共通点

①旧約聖書、新約聖書をもって教義、神学、儀式を定める。
※他の経典、聖典は認めない

②三位一体(父、子、聖霊)の教義を信じる
※三位一体の神観を、唯一の神の三つの現われと捉えるか、
または、それぞれに人格を認め、三神論と捉えるかは家の教会においても差がある。

③原罪を認める

④キリストを信じ、洗礼を受けることによって罪が赦されることを信じる

⑤人間の罪のために十字架に掛かり、イェスの血によって罪が赦されることを信じる

中国の異端、邪教組織と比較すれば、相当、健全な教会であることが分かる。
しかしながら、家の教会のリーダーは、三自愛教会は政府の特権を有しており、リーダー層は官僚主義に陥り、世俗化し、内部の権力闘争は激化し、既に教会のリーダーとしての権威は喪失してしまっていると指摘している。

確かに、三自愛教会の組織形態や運営方法、または一部の教義などに目を向ければ、マイナスイメージしか出てこないが、そこに集う信徒数のボリュームは決して無視できない。

中国の総信徒数の割合は、それぞれ、

三自愛教会30%
家の教会70%

三自愛教会の信徒数も決して少なくない。(日本の総人口の4分の1)三自愛教会にも純粋に神を愛し、礼拝している信徒がおり、キリストの体を形成していることを忘れてはいけないと思う。

※参考資料
家庭教会若干问题探讨 郭太风 东方学术文库 第二卷
参考資料

基督教家庭教会法律问题研究 以山东省L镇为例 张园园
参考資料