家の教会のに合法の立場を与えることについて

中国の大部分の家の教会は、合法の地位を得ておらず、法律の枠外での存在を余儀なくされてきた。

多くの人は、これら家の教会が合法的に登録されれば、政府と家の教会間の多くの矛盾や軋轢は解消され、さらに、家の教会内部の問題も一気に解決すると考えている。

とはいえ、多くの家の教会のリーダーは、現在、政府が提示している三自愛教会の組織下に入ることを条件に、合法的に登録する方法に賛同していないことはもちろんのこと、そもそも、必ずしも家の教会のすべてのリーダーが、合法的に登録することを望んでいるわけではないという現状がある。

中国社会科学院の于建嵘氏は、以下のように指摘している。

「家の教会を合法的に登録する」というテーマで話をする時、

どのような方法で、どのような枠組みの中で、
家の教会を法的にどのような身分で登録されるかを、
しっかり議論されなければならず、

そして、その登録方法が実効性と現実性を兼ね備えているのかも、
論じられなければならない。

現状、「家の教会を合法的に登録する」という問題に関して、
家の教会の中には三つの主要な立場がある。

①反対派
②穏健派
③急進派

①反対派

これらを主張する人たちは一般的に過激な考えを持っており、中国の憲法には信仰の自由と、宗教団体の結社の自由が保障されているので、いまさら、合法化する必要はないと断固として反対し、公での政府との対話を拒絶している人たちである。

②穏健派

これらを主張する人たちは、家の教会は合法的に登録すべきと考えているが、その方法が、宗教社団法人として登録されることを望んでおり、政府の考えとは大きく異なっており、非常に理想的で実効性と現実性に欠けていると言われている。

家の教会が宗教社団法人としての地位を得ることは、家の教会にとって、非常に多くのメリットがあると言われている。

まず、第一に、家の教会が社団法人としての立場を獲得できれば、社団法人という実体を持った組織の名で活動することが可能になり、もっと自主的に国内外のキリスト教団体と協力して活動展開することが可能になる。

次に、社団法人としての銀行口座開設が可能になり、管理、収集、募金等透明性のある財務管理が可能になる。

さらに、非営利社団法人として、国から免税の待遇を受けることができ、聖書などの宗教用品を運搬する際も、免税待遇が享受できる

最後に、香港の教会のように、伝道師や牧師を養成するために正式かつ大規模な神学校建設が可能になり、また、教会として幼稚園や小学校などに投資し、キリスト教教育事業の推進が可能になるといったメリットが得られる。

ただ、この考えは政府を困惑させており、現状、この手段で登録する方法は、なんら進展が見られない状態にある。

③急進派

これらを主張する人たちは、集会をもつ施設を登録する必要もなく、また、家の教会も宗教法人として登録される必要はないと考えている。

彼らは、2005年に施行された「宗教事務条例」に記載されている登録方法の順序、条件を改正すべきと主張している。

彼らは、政府は宗教団体に対して審査および批准権を有していないと考えており、宗教団体の政治化、行政化、単位化、及び単一化された宗教管理体制を廃止すべきと主張している。

政府に対し、宗教事務条例を改正し、現状のままで、公に家の教会の合法的地位を認めるべきと要求している。

家の教会を合法化することについて

このように、家の教会を合法化すると言っても、その家の教会の信仰の立場、財産、歴史的根源等の違いにより、家の教会内でも異なった立場が存在している。

家の教会のリーダーである瀋和林氏は、各家の教会の主張がどうであれ、現在は、家の教会がようやく合法的に登録される時を迎えていると指摘している。

そして、一度、登録が実行されれば、家の教会は次第に公開化、透明化していき、政府と家の教会の間にも共通の共存認識が生まれ、法の枠組みの中で、理性的な思考による合法化を推進し、政府と家の教会間にある敵意も減少させることができると言っている。

結果的に、政府の行政管理の負担も軽減することが可能になると言っている。

※参考資料
基督教的发展与中国社会稳定—与两位“基督教家庭教会培训师的对话”
参考資料