映画館で映画を見ない人

昨晩は、クラスの学生数名と映画を鑑賞しに行きました。中国の映画館は日本のそれと大差なく、単独で映画館だけが入っている建物はほとんどなく、ショッピングモール内に、複数の上映会場を擁した大規模な映画館が主流となっています。

価格は30元(510円)~50元(850円)ほどで、比較的低価格で楽しめる娯楽に属しており、家族連れから、カップルまで多くの人が映画館へ足を運んでいるようです。

上映映画は、最近であれば、チャン・イーモウ監督の最新作「帰来」などの国産、シリーズ化した定番SFアクション映画「トランスフォーマー」などの外国産、ジャンル、製作国を問わず様々な映画が上映されています。

昨日は、4月から担当していた初級クラスが終了したため、みんなで映画を見に行こうということになり、映画館へ行きました。鑑賞映画は、学生の一人である鐘さんのごり押しで、3D映画の「驯龙高手2」になりました。ちなみに、邦題は「ヒックとドラゴン2」です。

学生たちとカウンターでチケットを購入し、3D観賞用の眼鏡を受け取りました。1人の学生は、下の階でバレエを練習している妹を連れてくるということで、一時私たちを離れ、残りの学生たちと一緒に上映会場へ向かいました。

入場した際は、既に上演5分前でしたが、会場内には10名ほどの子連れの家族しかいませんでした。一応、チケット購入時に座席指定をしていますが、学生たちは、そんなこともお構いなしに自由に座り始めました。

そして、広告の映像が流れ始め、場内が暗くなり、映画が始まりました。妹を呼びに行った学生の姿は会場内になく、まだ戻って来ていないようでした。上映側が待ってくれるわけもなく、オープニングシーンが始まりました。

オープニングは、人がドラゴンに乗獣して飛行する疾走感溢れるシーンでしたが、私の映像処理能力では処理しきれず、思わず、メガネを外してしまいました。10分ほど2重に映った画面をぼーっと見ていました。

オープニングに相応しい迫力あるシーンが終わり、再度、メガネをかけようとした時、ようやく妹を呼びに行った学生が戻って来ました。

オープニングシーンを見逃して、かわいそうだなと思っていたら、連れて来られた学生の妹(8歳)が、すぐに席を立ち、また会場の外へ出て行きました。

トイレにでも行ったのかなと思っていると、しばらくしてから、ポップコーン1つと飲み物2つを抱えて戻って来ました。恐らく、お姉さんにお使いに出されたのだと思います。映画が始まってからも容赦なく、妹を使いに出す学生を見て、思わずカルチャーショックを受けてしまいました。

やっとメンバー全員が揃い、ゆっくり見れると思ったのもつかの間、学生の妹は、また席を立ち出て行きました。

数分後、戻って来た時には、バレエの衣装ではなく、私服になっていました。着替えることくらい、映画を見終わってからにしたらいいのに、と思いながら、足をぐいっと後ろに引っ込め、妹さんを席のほうへ通してあげました。

結局、学生の妹は、上映中、5回ほど席を立っては、どこかへ行ってました。映画よりも優先しなければいけないことがあるようで、最近の中国の子供はゆっくり映画も見れないほど、営業マン並みに忙しいのかなと思うと、かわいそうに思いました。

一方、映画に関してですが、最初のシーンこそはついていけませんでしたが、残りのシーンは3Dの映像にも次第に慣れてきて、内容も前作を見ていなくても十分楽しめる作品でした。お金と時間と手間隙かけて製作しているだけあって、立体音響というのか、何かは知りませんが、後方部と前方部の音響の使い分けが素晴らしかったです。

その他は、私の後ろに座っていた子供が、私の後頭部あたりの席のをいい感じに蹴り続けてくれたおかげで、戦闘シーンにおいては、私は他の人以上に臨場感を感じることができたと思います。

今回の映画で最も印象に残ったのは、パシられたあげく、全然映画を楽しめなかった学生の妹さんが、映画が終わった後、日本語で「こんにちは」と言って、ぺこっとお辞儀してくれた姿でした。お姉ちゃんに従順な妹さんでした。

わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下にも兵卒がおりまして、一人の者に『行け』と言えば行き、ほかの者に『こい』と言えば来ますし、また、僕に『これをせよ』と言えば、してくれるのです。

カナンの地は今日も輝いています。